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SEX PISTOLS 13. セックス・ピストルズと言う名の爆弾  



セックス・ピストルズ



「ピンクフロイドが嫌いだ」
Tシャツを着るポール・クック






最初で最後のアルバム
「勝手にしやがれ」






ベストアルバム「kiss this」
コレ一枚あればOK






永遠のバッドボーイ
シド・ヴィシャス






シド・ビシャスとジョニー・ロットン
 ニューヨークで発火したパンク・ムーヴメントは、ラモーンズ等を筆頭としたバンドのイギリス遠征によって瞬く間にイギリスにも飛び火した。その頃のイギリスは深刻な経済不安に陥っており、景気も低迷。特にロンドンの街には職にあぶれて行き場をなくした若者達が溢れかえっていた。
 そんなイギリスの若者達の怒りとフラストレーションを満たすのに、もはや難解で長ったらしい「プログレッシヴ・ロック」は無用の長物でしかなかった。経済的・社会的不安・不満が高まるにつれて「プログレ」は、一気に若者達の間で嫌悪の対象となって行った。
 不条理で苛立たしい世の中への怒りをストレートに代弁する人間が必要とされていたのである。
 
 ピストルズの生みの親、マルコム・マクラーレン(デザイナー兼ブティック店オーナー)はそんな若者の欲求をいち早く察知し、自身の「SEX」という名のブティックで「ピンク・フロイドが嫌いだ」と書かれたTシャツや、敗れてボロボロになった服などを売リ始めた。そして店には、Tシャツに書かれたメッセージに共鳴した若者達が押し寄せ、あっという間にそこは行き場の無い若者達のたまり場と化したのである。
 後期ニューヨーク・ドールズのマネージャーも務めたこともあるマルコムは、この成功によって「ドールズ以上に、もっと過激でもっと人に嫌われるバンドを作ろう」と目論んだ。バンド名は「セックス・ピストルズ」、メンバーは店にたむろしている若者をスカウトして選んだ・・・。
 そしてギターのスティーブン・ジョーンズ、ドラムのポール・クック、ベースのグレン・マトロック(後に脱退し後任にシド・ヴィシャスが加入)、そしてヴォーカルのジョニー・ロットンというライン・ナップが揃った。だが、全員音楽的経験は全く無いという、純100パーセントの「素人バンド」だった。

 こうして作られたセックス・ピストルズは、マルコムのイメージを具現化する道具として調教された。マルコムは「客に唾を吐きかけろ!」「ドールズの様になれ」「人に嫌われるんだ!」と、ザ・フー、ニューヨークドールズやアリス・クーパー、イギー・ポップなど、歴代の悪者、反社会ロッカー達の楽曲を習わせ、メンバー達を仕込んでいった。
 そんな過激なイメージと振る舞いが功を奏したのか、彼等の名前は一気に広がり、シングル「アナーキー・イン・ザ・UK」を発表するに至る。

 俺は反キリスト論者 俺はアナーキスト(無政府主義者)
 欲しい物なんてないが
 手に入れる方法だけは心得てる
 行き交うヤツラをぶっ殺したいゼ
 俺はアナーキストになりたいのさ 
 手下なんかごめんだね

 アナーキズムを英国に
 きっといつかそんな日が来る
 メチャクチャにするぜ、交通を遮断してやる
 お前の夢といったらショッピングに行くことくらいさ
 俺はアナーキストになりたい この街で
 『アナーキー・イン・ザ ・UK』
 
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  女王陛下万歳!
 ファシストの政治はお前を低能にしちまった
 有効な水素爆弾さ
 女王陛下万歳!
 女王は人間じゃない
 お先真っ暗だぜ
 夢見る王国は 
 『ゴッド・セイヴス・ザ・クイーン』 
 
 まさに、今まで誰も歌わなかった過激で攻撃的なこの歌は、放送禁止になりながらも見事に若者達の欲求を晴らし、支持され、ヒットした。
 次いで発表した最初で最後のデビュー・アルバム「勝手にしやがれ」はアルバム・チャートで全英一位に輝き、女王陛下を「人間じゃない」と嘲笑ったシングル「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」に至っては、題名が黒塗りにされたままチャートを駆け上がり一位を記録するという伝説まで生んだ。

 マルコムの野望は見事達成され、バンドはイギリスのみならず世界の若者達に多大なショックと感動を与え、パンク・ムーヴメントを一気にメイン・ストリームにまで押し上げたのだった。マルコムのデザインによる彼等のファッション、髪型、言動、全てが新しかった。
 これは自論だが、マルコムはアンディ・ウォーホルになりたかったのではないかと思う。ウォーホルがヴェルヴェット・アンダー・グラウンドを作ったように、彼もセックス・ピストルズを作った。そして、既存のロックを、既存の概念や既存のサブ・カルチャーを、破壊したかったのだ。だとしたら、それは大いに成功した。それどころか、ウォーホルがヴェルヴェッツでやろうとした事以上の衝撃と影響をロックに、若者に与えた。

 ヴェトナム戦争の傷跡からまだ立ち直りきれていなかったアメリカとは対照的に、イギリスの若者達にはエネルギーが溢れていた。ピストルズの成功を目の当たりにした若者達は「自分にも出来る」と次々バンドを結成し、ロックによって社会への怒りやあらゆる欲求を吐き出し始めたのだった。 

 
   


    


目次 
1.エルビス    6.ウッドストック   11.プログレ   16.ニューウェーヴ   21.グランジ
2.ビートルズ登場   7.グラムロック   12.NYパンク   17.ガールズポップ   22.カートコバーンの死
3.ボブ・ディラン
  8.三大ギタリスト   13.セックスピストルズ    18.ヘヴィメタル   23・4.ブリットポップ 
4.狂宴の60年代   9.パープルとツェッペリン   14.サントラ映画   19.LA.メタル   25. 多様化・細分化
5.ロックと芸術    10.70年代ロックシーン   15.産業ロック   20.ガンズとメタリカ    


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